予定通り、12月31日に退院した。病院内は比較的静かなので気が付かなかったが、街はものすごい音の洪水にあふれている。駅のアナウンス、人ごみのざわめき、スーパーの音楽。耳をふさぎながらでないと過ごせないような感じだった。
静かな場所を求めて、正月は運動も兼ねて県内のいくつかの森林公園に行き、ウォーキングをした。汗をかくほどではないが、静かな環境で体を動かすのは気持ちが良い。
そして、今日9日、病院に行き検査をした。聴力はほぼ正常値に戻っていた。本来ならば「完治」ということで喜ぶべきところだが、後遺症が残っている。耳鳴りや耳塞感はかなり軽減したが、聴覚補充現象、つまり聴覚過敏がある。主治医にそのことを問うと、いずれ無くなるか、気にならなくなるという回答だった。予想していた回答だったが、「無くなる」と「気にならなくなる」の差は大きいだろう。もちろん、無くなることが理想であるが、気にならなくなるにしてもそれがどのくらい先のことか知りたい。聴覚補充現象のようなものは聴力のように検査で数値化されるものではないので、医者から見れば、結局「気のせい」で片づけられてしまうのだろう。
ともかく、耳をいたわるためしばらくは音楽活動は自粛である。スガシカオさんも突発性難聴を患い、その壮絶な闘病生活を自身のブログで赤裸々に綴っている。私は入院期間中かなりの不安の中にいて精神的にまいっていたが、彼のブログにはかなり勇気づけられた。プロアマ問わず、音楽を愛する者にとって耳はなくてはならないものである。音が正常に聞こえるということがいかに尊く、すばらしいかを入院中に思い知った。
何度も繰り返して言うが、耳にちょっとでも異変を感じた人は、仕事も家事も投げ出して病院へ直行である。私はこのことを多くの人に伝えたいと考えている。
0 件のコメント:
コメントを投稿